舞台稽古をやっていると、
多くの人がハマる役者のワナ・・・
良い演技をしようとすると
結構ハマっちゃうんですよね?
例えば、
稽古で自分が模索している中で
しっくり来た時の演技、
演出家からホメられた時の演技
稽古場でウケた演技
があったとします。
多くの人はそれをまた同じように繰り返そうとしちゃうんです。
もちろん、そこに
役の心情や超目標、
相手役との交流などを
押さえた上での繰り返しができるのだったら問題は少ないですが、
多くの場合、
その時の
声のトーン、
話し方、
体の動き、
台詞回し
という外面的なもので反復しようとします。
これが、実は役者の演技に新鮮味が無くなって来る
役者のワナなんです。
こわいですねええええ。
人間は、本来怠け者なんです。
だから、一度なにかを見つけたらそれを
繰り返した方が楽になると思ってしまうんです。
あと、もう二度とああいう演技はできないんじゃないか
という不安も出てきますしね?
正解は一つだと思ってしまうんです。
でも、それは実は新鮮味の無い独りよがりな
演技になってしまいがちになるんです。
リアリティも相手役との交流のない演技になってしまいます。
これは、
どんなに一流になっても、
ともすると陥ってしまう危険なワナです。
でも、大事なのは
モーメント・モーメントです。
舞台の上で一瞬一瞬に注意を集中して、
心をオープンして、
そこに生まれてくるものについていく事です。
それは、毎回同じ反応とは限りません。
相手役のわずかな反応、
そこから受けた自分の中に生まれたものによって
演技は違ってきます。
だから面白いんです。
自分を信頼して心を開く。
役者にとって最も大切な事です。