今日は役へのアプローチについて基本的な考え方をシェアしたいと思います。
まず、一番大事な認識として、台本に書かれているセリフは、
役の人生のほんの一端にすぎないということを覚えておきましょう。
台本に書かれたセリフが役の全人生ではありません。
書かれた台本のセリフの前にも、舞台裏ではずっと役の人生が続いてきたはずですし、台本の作品が終わった後でも、役の人生は死ぬまで続いていくわけです。
ですから、台本に書かれたセリフの前に、役の人生はどんなだったのかを想像してみることが大事です。
この時曖昧にではなく、具体的に想像し、イメージを膨らませましょう。
イメージとして思い浮かべた状況をベラベラはなせるようになると良いですね。
目次
役へのアプローチのイメージを膨らませるには
その時に「この役は~」として話すのではなく、「私は」「オレは」というように第一人称で役のこれまでの経験、人間関係、好き嫌い、悩みその他をベラベラはなせるようになると良いですね。
一人芝居のように。一人の人間としてシチュエーションが明確になって行くほど役の理解と共感が得られるようになっていきます。
役のシチュエーションを独白する練習は効果的です。
良い俳優というのは、台本に書かれていない部分を、特に自分が登場する前の役の人生をセリフのある部分の10倍以上練習するといいます。
役のシチュエーションがしっかりできていれば、台本に書かれたセリフを言ったり動いたりすることは比較的楽になっていきます。
役に深みをあたえるにはまず「役のシチュエーションを完成させる」ことです。
役として深みを感じられない一つの原因は「シチュエーション」が曖昧であることです。
単にセリフを覚えてそれらしく話してるだけでは観客に何も伝わりません。
芸術の敵は「曖昧さ」ともいわれています。
役のシチュエーションを具体的にイメージして実感できる訓練をしましょう。
役へのアプローチのポイント
役には敬意を持ってアプローチしようとすること。
役を自分を表現する為の道具ではなく、役は独立して意志を持った一人の人間であると捉えてアプローチしていくことが大切です。
そして自分の役が愛おしくなっていくほど、役があなたに近づいてきてくれます。
役には魂があると思って役へのアプローチをしてみてください。
その役の想い、状況、願望、その他を全て肯定して共感できるようになったら
あなたはどんな役にも近づいていくことができることでしょう。
演技が上手な人は意識的にせよ、無意識的にせよ
そのような感覚で演技に臨んでいるのです。
あなたも「演技が上手になりたい!」と思うのであれば
是非、このアプローチを心がけてみてくださいね。