こんにちは。
今日は、演技や歌の訓練でよく使われる
『丹田』についてお話したいと思います。
演技や歌、殺陣やダンスのレッスンを受けると講師から
「丹田を意識して」
と言われたことはありませんか?
深呼吸や発声をする時にも
「胸ではなくお腹から吐いて」と
指導を受けた方は少なくないと思います。
その際に意識されるのが『丹田』です。
ではその丹田の位置はというと
「おへそから約3センチ下の部分」
または
「おへそから指二本下の部分」
というのが一般的な指導ではないでしょうか。
実はこれ、一つ大きな間違いがあるんです。
確かに丹田の位置はおへそから約3センチ下のあたりですが、
お腹の表面にあるわけではないんです。
ここでもう一つ意識しなくてはいけないのが、
体の横から見た位置です。
まず、体の正面からおへそから3センチ下を
槍で突き通されたとイメージします(ちょっと怖いですね)
そして体の横から、先ほど突き刺した槍と交わるように
腰の真ん中を槍で突き通されたとイメージしてください(残酷ですね)
この二本の槍が十字に交わった部分が『丹田』です。
丹田はお腹の表面にあるわけではなく、
体の内側にあるんですね。
このことを教えてくれる講師はあまりいません。
上でなぜ槍を例に出したかというと、
この丹田の位置を意識する方法は、
古武術から来ているからです。
武道を収めている人って、
身も心も落ち着いていて、
重心が低く、
声が良く響く人が多いと思いませんか。
それはこの丹田を意識してする呼吸、
歩行法や稽古によって培われたものです。
今まで「丹田から声を出して」と言われて
力んでお腹の表面をこわばらせて発声していたのが、
体の内側にあるとしたら、
むしろ反対にお腹を張り出すようにしないと
丹田を意識できないことがわかります。
今まで上手く丹田を意識して呼吸や発声ができなかった人も、
正しい丹田の位置を意識してやってみてください。