「もっと感情をこめなさい!」
もし、あなたの演技の先生や先輩がこんなことを言っていたら要注意です!
なぜなら、その考え方はものすごく時代遅れだからです!!
古い教えです
感情は生まれるものであって、
自力で作って込められるものではありません。
それが今の世界の演劇界の常識です。
東京で行われている演劇ワークショップ「楽演RAKUEN」でも何度も教えていますが
感情にフォーカスした時点で演技がおかしくなります。
【感情をこめる】演技をしようとすると、
表面的な演技、人間味の無い演技になってしまう危険性があるからです。
演技中、感情を込めようとしていきなり感情的になったり、
自分の感情に酔いしれたりと全く役とは違う方向へ行ってしまう人をよくみかけます。
感情を込めようとすればするほど、
負担がかかり、本来の役のシチュエーションとかけ離れていき、
訳がわからなくなってきます。
ありもしない感情を無理やり引きずり出そうとするわけですから。
もう感情にフォーカスするのをやめてください。
台本を読む時も、感情を決め付けないようにしましょう。
感情は、何かの刺激によって生まれてくるものです。
そして、ちょっとした違いで生まれてくる感情も変わってきます。
それをしっかり覚えて置いてください。
生まれてくるものです。
作るものではありません。
ですので、感情ではなく「役の欲求」にフォーカスしてみましょう。
この役はいったい何をしようとしているのかな?
何を手に入れたいとしているのかな?
どうなりたいと思ってるのかな?
何と戦っているのかな?
それを見つける努力をしてください。
そして、演技中はその欲求をかなえることに集中しましょう。
フリではなく、本当にその欲求をかなえようとすることです。
それから
役が置かれたシチュエーション(状況)をはっきりさせましょう。
それは生い立ち、人間関係、悩み、不安、欲求、希望、目標
いろいろあると思います。
自分の役を一人の生きた人間として、
その人間のおかれたシチュエーションを心が動くレベルで認識することが大切です。